月船書林

フィギュアスケートの話題を中心に芸術を語る

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銀色の雨

〇水の素描41


何を刻むstargazer星屑の軌跡の淋しきひとの恋しき


白鍵におどる左手 花冷えの闇に燦(きら)めくショパンのトリル


空からは銀色の雨の一滴(ひとしずく)汝(な)が去りし後のバスの停車場


ゆめはゆめと知りつつながむ白昼の回廊ぬけて黒揚羽(くろあげは)とぶ


ブロッコロゆでこぼす朝気づく余白 旅びとゆけるあとの食卓



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暗渠

〇水の素描40


なにもないなにもなかつた裏切りとむらさき木槿(むくげ)のほかにはなにも


ほろびしものの名前も知らず飴色の琥珀にとどまる時間(とき)のたしかさ


帰らぬ日帰らぬ時よ夕刻の埠頭の霧に溶けるロング・グッドバイ


喪失は底ぬけのやみ 蒼穹をはろばろとゆく雲のひとつ影


都市をくぐる暗渠(あんきょ)の水の音を聴く夜ふかまれば花落ちむとす


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火の粉

〇水の素描39


カメリアを浮かべた盥で顔を洗う汽車で旅立つ日曜の朝


火の粉散らし飛行船燃ゆ空の下 青年将校が交わすくちづけ


水銀柱ではかれない恋の圧力は吸い殻の散らばる寝床の情事


青い夜 回転木馬と白い月 初恋のきみと五月の森で


庭の鍵がみつからぬ夢の涯にこそアナーキストの恋も終わりぬ


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Blue moon 

○水の素描38


ひとがひとに出逢ふ奇跡はBlue moon中天の雲間を染める月影


印象は果敢ない光の混合でriver sideの霧深みゆく


Vermillionいのちの色に咲く花の光(かげ)ふるはせる鎮魂の鐘


遠花火 消えゆく記憶とilluminations永遠は何処に帰つてくる…何処に?


泣くことも幸せの証 赦されて戻れることもcrazyな愛


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蛍火

○水の素描37


きみが背にたはぶれに書くイニシアル濡れ縁から仰ぐ空の遠雷


たましひをおとしたやうだ薄闇の沢に飛び交ふみどりの蛍火


月よみを背にする別れのいとしきはただ繰り返す「バイ・バイ」の声


とつぷりと暮れゆく夜が懐かしきミルクの匂ひの仔猫を抱いて


もろともと希(ねが)ふ言葉をチエンバロの響板に記す今朝は曇天


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