月船書林

フィギュアスケートの話題を中心に芸術を語る

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普段着の彼女

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今回もファッションの話題であるが、フィギュア競技からさらに離れて、浅田選手の私服ショット写真のご紹介と、女の子のおしゃれについて軽いお話をしよう。

まさきつね自身はさほどおしゃれな訳ではないが、母親の副業が洋裁師だったこともあって物心ついたころから、『MODE et MODE』というファッション雑誌の最後に掲載されていた服のパターン(原型)を終日眺めて過ごすなど、おしゃれに関心だけは持っていた。
ただし、『MODE et MODE』という雑誌の傾向上、その多くがパリやミラノのオートクチュールといった、とんでもなく昭和の日本の日常からかけ離れた世界視野の流行やファッション情報に即していて、今から思うと雑誌に載っていたデザインのほとんどが、いわゆる日本の若い女性がそのまま着こなすとなると当時からすればかなり宇宙服的な感覚だろうというものばっかりだったというのも笑い話ではある。

と言っても、まだその頃には『an・an』や『non-no』も発刊されて間もない時分で、女性ファッションのトレンドが雑誌から発信され、めまぐるしく移り変わるファッション業界の流行を牽引してゆくという現象が生まれ始めたばかりだったから、まだどの雑誌も試行錯誤の途中で、日本発のファッションも萌芽するかしないかという様相だった。
つまりはまだ、日本の流行発信と言っても欧米の『ELLE』や『VOGUE』を真似たり、その中の情報を紹介したりという段階だったから、小学生がパリの最新モードでおしゃれに心酔するのも、その頃の田舎の女子大生が『an・an』や『non-no』で東京ファッションってこんなものかとうつつを抜かすのも、さほど大きな変わりはないレベルではなかったのかという気がする。

ところで「おしゃれの定義」というものを聞かれたら、これほど難しい質問もないだろう。結局ひとにはそれぞれ事情があり、好みがあり、個人の主観によって揺れ動く分野では、なかなかこれと言い切ることが出来ない概念であることは確かなのだ。

テレビのバラエティー番組で、嵐のメンバーやお笑い芸人や俳優たちがそれぞれ選んだ服を着たマネキンになって、おしゃれを自称している女性タレントやモデルたちに評価してもらうというコーナーがあったが、着ている側もどれもさほど変わり映えしない気がする中、選ぶ側の理由も曖昧だったり人それぞれ違っていたりで、最後に残ったいわゆるおしゃれじゃないセンスもそこまで晒し者にされなくてはいけないほど悪くはなかったりするから、実に繊細で難しいものだなあと思う。

一応、毎度のおしゃれ女性タレントたちのコメントを総合してみるに、まずはTPOやファッションテーマを配慮しているかということと、服や小物を自分のものとして着こなしているか(服に「着られて」いないか)ということが大きなポイントのようだ。

たとえば海や川へ行くのに革靴を履くとか、白がテーマなのにベージュを着るとかいった勘違い、あるいは自分とシンクロしていない突飛なデザインや帽子やスカーフといった小物を無理して使うという微妙な選択が、おしゃれ女性たちの鋭い勘に引っかかりあえなく自爆というケースである。
しかしここまで徹底して粗探しをされると、どんなおしゃれをしても何かどこかケチをつけようと思えばつけられるだろうから、よほど世の中のスタイリストたちはピリピリとした感覚でタレントたちの頭から爪の先までチェックしなければならないのだろうなと感心する。
とはいえ、一般の彼氏にそこまで隙がなく着こなされたら逆に、女の子の側の肩が凝って普通に付き合えないだろうと感じたりもするので、おしゃれというのも全く気を配らないのも困るが、あんまり鼻につくような気取ったものもいわゆる気障な印象を与えるのだろうと思う。

まさきつねがもうひとつ、おしゃれを考える上で気になるのは、自分が身につけないものや興味がないものに関して、そうしたものをおしゃれ云々という以前に排除してしまう感覚である。

確かに、現在のまさきつねの母などもそうなのだが車椅子生活などをしている人など、靴でおしゃれが出来ない人間にハイヒールやサボやブーツなどの話を持ちかけても、「自分が履けないからそんなものに目がゆきません」と素っ気ない反応が返ってきても仕方ないのかという場合はある。
おしゃれというのは、個人の身体的コンプレックスに関わる部分に抵触することがままあるので、それに配慮がないとセンスの良し悪し以前に、相手の感情を傷つけることも多くこの辺りも話題にする際には難しい部分だろう。

だが本来おしゃれに関心がある人間にとっては、たとえ自分が身につけられないものや関係のないものであっても、それが興味の対象であることは当然のことなのであり、まさきつねの母などは実際に自分が絶対に着ないだろう夜会服だろうが、男物だろうが、靴や帽子だろうが、バッグやアクセサリーの小物デザインに至るまで、年をとっても雑誌の切り抜きを見ながらこれは良いとかこれは野暮ったいとか、ぶつぶつと感想を洩らしている。

服飾デザインはそもそも大衆文化や娯楽の一環として扱われ、商業ベースに乗った売り込みも盛んなことから、芸術どころかサブ・カルチャーやあるいはサブ・カルチャーでさえない瞬発的な風俗として見なされることの多い分野ではあるのだが、個人の趣味嗜好は無論のことその主義主張さえ直截に反映するという一面からしても、その時代を生きる人間の位相や社会現象を読み取る、最も的確なカルチュラル・スタディーズの研究対象であることは間違いないのだ。

まさきつねは平成に入って、アンダーグラウンド系の音楽シーンや文学畑から台頭してきた日本独特のロリータ・ファッションにもかなり注目していたが、ここ近年になって、さらに幻想的でゆるいレトロ感を前面に出した「森ガール」が出現したときは、日本発信のオートクチュールの在り方を見せつけられた驚きで少なからず感動した。

「森にいそうな女の子」とか「森の番人みたいな可愛い子」というのは何とも抽象的なイメージの表現ではあるが、こうした詩的な言葉の感覚や手作りの自然派という、懐古趣味の文化回帰から新しいポップ・カルチャーが生まれるのだという辺りが、日本の伝統文化的な奥深さや精神的な晦渋性を垣間見せた気がしたのだ。

まさきつねは別にロリータ・ファッションや森ガールを特段推奨する訳ではないのだが、アニメやコミックなどの日本発祥のオタク文化とともにこうした実に日本的な発想から生み出されたファッションブームが世界を席捲してゆくようになった時代性には感慨深いものがある。
高等遊民的なブルジョワ趣味を模擬したようなロリータ・ファッションにしても、自然志向を押し出す森ガールにしても、どこかハイ・カルチャーの選民意識の強い貴族的な知識、教養を揶揄するような側面を感じるが、現代アートが20世紀になって、メディアの発達や複製技術の進化による大量生産が可能になるに従い、ハイ・カルチャーの大衆文化化を邁進したのとは逆に、一過性のブームに終わる印象が強かったファッションが個人の思想性や哲学を反映してハイ・カルチャーを凌駕する社会現象を生むように至った文化的な重要度の高まりが、実にポスト・モダン的な流れで興味深く感じるのだ。

さて、とまれ軽い話をするつもりだったのだが、何やら小難しい方向になってきたのでここら辺りでやめておくけれども、ここ数年日本のファッション・シーンが多様化し、パリやミラノ、ロンドンやNYのオートクチュールやプレタコレクションまで受容しつつも、アジアの中でも特殊な日本的伝統や文化に基づいたデザインや流行を発信していることは確かなのだ。

(断っておくがまさきつねは、よくネット内で誰それのフィギュア衣装はダメだとか、下品だとか、私服がダサイだとかわざわざ言い募って、スポーツ競技以外の部分でも選手のネガキャンを繰り広げる輩のような悪趣味はない。
まさきつねにとって、フィギュア選手に限らず、誰か個人がおしゃれであるとかそうでないとかなど、全く関心の範疇にない。
ファッションはあくまで時代を映し出す鏡であったり、世の中の流れを見る切り口であったりするから面白いので、個人のおしゃれ度がほかの誰かに比べて多少高かろうが低かろうが、それはあくまでそれぞれの生き方の問題だ。
言ってみれば、何を着ていようとそれを身につけた本人が自己に充足して幸せであるならば、他人から見てそれがダサかろうが絶望的であろうが余計なお世話というものだ。ましてや主観的な感想を基準にして、誰かを愚弄して興じるなど、外見がおしゃれかどうか以前に、評する側の内面的な人間性が問われるべき問題だろう。)

悪質なネットユーザー発言への苦言もこの辺にして、浅田選手の画像紹介に移ろう。

とびきりおしゃれとか、垢抜けたセンスとは言えないだろうが、むしろその時々の彼女の年齢相応に自然体のファッション感覚だとまさきつねは思う。
時に背伸びしてみせたり、姉の舞選手に合わせてみたり、マニッシュに決めたり、ゆるふわのお嬢さま風に抑えたり、ごく普通の女の子らしくいろいろな自分を楽しんでいる。突っ込みどころは山ほどあるのかも知れないが、素人感覚のおしゃれだからこそ、日常の彼女の素顔が見えてファンはほっとするのだ。

おしゃれは畢竟、自分自身の顕現でしかない。
気取らない、あどけない、自分に素直で無理をしない、等身大の彼女の今が見えている表現や着こなしならそれでいい、それで充分なのだと思う。

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グレーのウールワンピース

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フォーマルは白いフェイクファーボレロ

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ブルーストライプのシャツ

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オフホワイトの綿パーカー

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フォークロワの刺繍入りチュニックドレス

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黒サテンのフォーマルドレス

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段フリルスカートとドットトップスの春らしいコーディネート

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オリンパスのCMからピンクのローブデコルテワンピース

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ニットのポンチョ風トップスにロングスカーフを二重に巻いて

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赤の薄物ニットに白いスカーフ

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緑の花柄シフォンワンピース

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黒のパーカー

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ガーリーなワンピース

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ロンドンファッション風タータンチェック

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ボーダーのニットトップスでバラエティー番組に出演

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縞のリボンが付いた白いキャスケット

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ヴィヴィアン・タムのワンピースで園遊会

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濃いピンクのパーカー

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黒のチュールレースとパフスリーブのワンピース

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ロシア風ファッションでコサックダンス

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外は寒いのでダウンコート

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防寒は完璧

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パンダファッション

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ラフなカジュアルニット

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ファー付パーカー

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チュニックとドルマンボレロのトップスにハーフデニム

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色鮮やかなシフォンチュニック



1 春
野ゆき山ゆき海辺ゆき
眞ひるの丘べ花を籍き
つぶら瞳の君ゆゑに
うれひは青し空よりも。

2 夏
蔭おほき林をたどり
夢ふかきみ瞳を戀ひ
なやましき眞晝の丘べ
さしぐまる、赤き花にも。

3 秋
君が瞳はつぶらにて
君が心は知りがたし
君をはなれて唯ひとり
月夜の海に石を投ぐ。

4 冬
君は夜な夜な毛絲あむ
銀の編み棒にあむ絲は
かぐろなる絲あかき絲
そのラムプ敷き誰がものぞ。
(佐藤春夫『少年の日』)


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