月船書林

フィギュアスケートの話題を中心に芸術を語る

十月の寓話

注文30


きみがきつねになって
夜に降る雨の夢を見るから
ときおり一緒にいるねこは
ずぶぬれになる

きみが見つめる遠くの空から
響いてくる電軌(トラム)
その音を聞くと
ねこは淋しい

でも今朝は
畑から採ってきた
かぼちゃの中をくりぬいて
ランタンをつくって
温かな火をともした

ふかふか
しっぽにくるまって
二匹はいつまでも黙って
ながめて過ごした

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ウィルは走りながら考えた。やれやれ,またか!ぼくがいくら声をかけても、ジムは走って行くんだ。ぼくが全速力で追いかけると、ジムは、それ以上早く飛んでいく。ぼくが丘を登る。するとジムは教会の尖塔の上にいて、ぼくをあざけるのだ。ぼくは銀行の預金口座を持っている。ジムはただ頭の上の髪と、口の中のよくわめき立てる舌と、着ているシャツと、足にはいているテニス靴があるだけだ。それなのに、どうして彼の方が金持ちであるような気がするのだろう。
(レイ・ブラッドベリ『何かが道をやってくる』)


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