月船書林

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山芍薬が咲く

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裏庭に投げ置かれていた植木鉢から、山芍薬の芽が伸びて、今年小さな蕾をひとつ付けた。

数年前に近所の方から苗を戴いたのだが、肥料の加減が分からず夏に不手際で枯らしてしまい、仕方なくそのうち何か別の苗でも植え替えようと、とりあえずそのまま放っておいたものだが、枯れたと思っていた苗の土に埋まった根から、赤い新芽が伸びてきたという訳だ。

何ひとつ手入れもせず、時々雨水がかかる程度のことで、ひとが何も知らぬうちに、植物は何も文句を言わず、ひそかに芽を出し蕾を付けたのだ。
人間の丹精を込めた世話など無用とでも言わんばかりだ。敬服する。

山芍薬はいわゆる芍薬に似ているが、山野に自生するのでこの名が付き、花も小ぶりの一重で慎ましい。

茶花としても趣きがあるが、花芍薬の栽培が盛んだった江戸期には、地味な花姿よりも、花後のはじけた赤と瑠璃色の実の方が珍重されたようだ。

白い花びらは蝋細工のように繊細で、螺鈿のような光沢があり、お椀型にほっこり咲いている様子は、軒下の日陰に落ちてきた小さなお月さまみたいな風情がある。
学名のPaeonia(パエオニア)は、ギリシャ神話の医術神「Paeon」の名に由来するというが、芍薬の近縁植物の根は消炎、鎮痛、抗菌、止血などの生薬に使われるからだろう。
花言葉が「はじらい、はにかみ」というのも、清楚で慎ましやかな佇まいをうまく滲ませている。

ところで山芍薬の自生地であるが、無論、水や空気のきれいなあちこちの野山の林や傾斜地などにあるだろうと思われるが、近年は不法採取や環境破壊、気象の変化などで減っているのではないだろうか。奥深い山のひと気のないなだりなどで、ひっそりと咲く花の群生を思うと、心に羽根が生えたみたいに、遠く見える筈のない風景が胸の中に広がる。

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この自生地、心ない人の心ない仕業によっては消滅の危機を迎えるようだが、特に人の手が触れなければそもそも忌地現象は起こらないという。
本来、芍薬はアルカリ性土壌を忌み、弱酸性土壌を保つことが大事なようだが、それだけでは駄目で、何年も植えっぱなしの切花栽培をした畑では土壌養分の枯渇が起きて、有機物や肥料の投与をしても作落ちを招くらしい。ところが、人間の手による有機物や肥料の補給をしない自生地で土壌環境が保たれるのは、堆積する枯れ落ち葉と倒れた地上部の花茎が材木腐朽菌による炭素循環を行っているからだ。

人間が販売のために芍薬を栽培する農地では、出荷の際に茎ごと持ち去られるために、落葉の堆積による材木腐朽菌の繁殖が見込まれない。土中の炭素循環もなく、病菌に対する防護組織も弱体化して、エネルギー不足になり、芍薬の生育が妨げられることになるのだ。

芍薬の切花販売を人間の私利私欲の所業と切り捨てる訳ではないが、巨大なマーケティング産業に晒された畑が行うことが出来ない自浄作用を、山の奥深くの自生地は事もなげにやってのけている。ひとの踏み入らぬ群生地では、毎年他からの助けを何ひとつ借りることもなく、植物が美しい花々を開かせている。

ひとが良かれと思うことだけが良い結果を生む訳ではない。
要らぬ手助けどころか、ひとが余計な手を出したばかりに絶滅寸前の自生地の方が多いのだ。

ひとよ、もう一度あなたの良心に問いかけてみるべきだ。
(たとえ悪意がないにせよ、いや、むしろ善意の思いであったとしても、)あなたがうかつに踏み入ったその地で、自生していた花は萎れ、群れ咲く力を失っているということはないのだろうか。

ほろりとほころびかけた、裏庭の山芍薬の花に答えて欲しい。

゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚

最後に山芍薬のように清楚で可愛い動画を。
☆浅田真央 Mao Asada ちょびマオ スペシャルメイキングムービー☆

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こんにちは。
裏庭の山芍薬の蕾はいつ白い花を咲かすのでしょうか?
楽しみですね。

清楚で白無垢のような山芍薬の自生地と日本女性の二つは絶滅の危機に瀕しているのでしょうか。あ、真央選手がいましたね。

イワウチワという可憐で清楚な花があり、私はこの花も大好きです。
とある山の斜面に自生している群落があるのですが、花の数が激減しています。地元の人の話では業者が夜中にこっそりと根こそぎ持って行ってしまうそうです(怒)

日本人は花や自然を愛すると言われますが、これは真っ赤なウソだと思います。自然を破壊することが好きなのではとしか思えません。
美しい白浜の海岸線も護岸工事でどんどん失われつつあります。
しかも、国民の税金を使って。

愛するのは「箱庭」として加工された「自然」であり、本来の自然ではないように思います。庭園や盆栽のように人の手が入った「自然」を鑑賞することが好きなんでしょう。


山芍薬手に触れて旅寂しめり

はにかみも恋も溶かして山芍薬
2010/5/19(水) 午前 10:43 [ 桔梗 ]

こんにちは。
写真の裏庭のあまりの美しさに、感動しました。湿り気を帯びた緑の美しさには心癒されますね。
わが家の庭も今年はいろいろな花が咲いています。いつも丹精していた義母が昨春突然他界して、庭もすっかりさびしくなっておりました。ところが、春になるとさしたる手入れもしていないのに咲き競うように花であふれました。去年まったく花をつけなかった菖蒲やなでしこみたいな花が咲き乱れ、弱々しく枯れかかっていたキンギョソウや葵は木のように大きくなり、びっしり花をつけています。夫は「庭が心配で母が手入れしに来てるんだよ」なんて言うんですが、ほんとにそんな感じです。今まで草むしりなんてやらなかったんですが、見苦しくない程度にとやって見ますと、あちこちにかわいい花が咲いていて、気に入ったのは抜かずに楽しんでいます。なかなかワイルドでいい感じの花壇になって気に入っています。
2010/5/19(水) 午後 1:37 [ Meiling ]

桔梗さま
仰るとおり、「自然」と「箱庭」は全く別物です。人間の力でコントロール出来ない力に対しては、畏怖心からか抹殺の方向へ向かってしまうきらいがありますね。
浅田選手の底知れぬポテンシャルに対しても、ISUなどの仕打ちにはそのような傾向を感じるのですが、いかがでしょうか。
自由に群れ咲く選手たちの演技を、ルールやジャッジでコントロールするなんて許されることではないと思うのです。

今回も素敵な句をありがとうございます。またよろしくお願いします。
2010/5/19(水) 午後 5:25 [ まさきつね ]

Meilingさま
コメントありがとうございます。せっかくいただいた褒め言葉ですが、写真は深山の自生地を撮ったもので、まさきつねの家の裏庭は、山に近いとはいえあんなに広々としてないです。説明を忘れてごめんなさい(汗)。
家の庭は父が丹精しておりますが、アジサイや石楠花、木苺などが雑然と植わっています。庭の手入れは実に趣き深く大変な作業ですね。
Meilingさまのお母さまも苦労を楽しみながら、作業をされておられたのでしょうね。残された花に、お好きだったものへの愛しさが滲むようですね。
2010/5/19(水) 午後 6:54 [ まさきつね ]

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