月船書林

フィギュアスケートの話題を中心に芸術を語る

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

五輪前夜~四大陸選手権~


他ブログへの投稿コメントから抜粋。



浅田選手の演技を長らく観ない日が続き、GPFでの他の選手の活躍と結果を、彼女自身はどんな思いで見つめていたのだろうと考えるにつけ、浅田選手の抱えているものの重さに改めて胸が傷んだ。

五輪に出場し、キム選手と「最高の舞台での勝負」をし、3Aを決め、そしてメダル獲得。
観衆もマスコミも当たり前のように浅田選手に期待をし、自らの希望の星であるごとく、彼女に夢を託す。
一方、浅田選手はそうした無法な期待を真摯に受けとめ、今のこの束の間も、夢の実現のためにひたすら精進しているだろう。

でも観客はもう気づくべきなのだ。

彼女の夢も希望も、すべて彼女自身のもので、他の誰のものでもない。
五輪を目指し、メダルを目標にしてはいても、それは特定の選手との勝負に打ち勝つことを意味しているのではない。

タチアナコーチと目指すフィギュアの頂点は、音楽を表現する体すべてを使った芸術的な演技、音楽のテーマを伝える踊り、そして踊りの一部になった難度の高いジャンプと深いエッジのステップ、こうした内容が心技体で結びついて、氷上で完成する瞬間だ。

全日本の結果如何に関わらず、おそらく浅田選手は五輪に向けても、ジャッジ受けする曲目への変更もせず、今後ずっと安全策も回避策もとることはないだろう。
なぜなら、すでにフェアな競技とは別の次元に行ってしまったジャッジも、ジャンプの成功でしか技術の評価をせず、表情と媚態のような演技でしか表現力をはかれないコメンテーターやマスメディアも、浅田選手にとっては、もはや迎合するべき相手ではない。
彼女とタチアナコーチが体現したかった芸術的プログラムの前に、いずれ沈黙すべき雑音にすぎないと感じられて仕方がないからだ。


五輪が浅田選手を迎え撃つなら、彼女は挑戦するだろう。そして観客は祈るのみ。

幸あれ。

maomao(131).jpg

                  ※

五輪を目前にして四大陸選手権に出場する鈴木選手、そして浅田選手。

参加を危ぶむ声の多い中での決断は、無論選手それぞれの思惑や計算があってのことだろうと思うが、「今は試合に出たい気持ちが強い」という浅田選手のコメントを聞くと、試合で切磋琢磨するごとにより強くなる選手のアスリート魂に、胸を揺さぶられる。
試合で他の選手と競うことで磨かれるのは、技術や表現力だけではなく、むしろ闘うことの意味そして勝つことの意義と向き合う精神力だろう。
選手層の厚い日本やアメリカの女子選手は、五輪代表をめぐって苦しい試練を余儀なくされたが、アスリートとして得たものははかり知れないはず。勝利した者も涙を呑んだ者も、お互いが自らの誇りとなったはずなのだ。

全日本同様、四大陸での闘いを研鑽の場にして、五輪で本当に一途に望んでいたものをそれぞれが掴み取って欲しい。
あなたたちのひたむきな姿勢、誰に媚びることのない誇りある演技が、五輪に対するアスリートとしての問いかけであり、全ての答えになるのだから。

                  ※

どんなスポーツでも、いくばくかのホームタウンデシジョンは致し方ないのかもしれないが、トリノ以来の四年間で念入りに下ごしらえされた採点ルールとジャッジは、明らかに下積みがない選手やブランクがある選手には不利な傾向に作られている。

四大陸の結果はこの問題をまたしても浮き彫りにした。

自己ベストの得点を単純に比較する限り、キム選手、ロシェット選手、安藤選手らに対し、四大陸でもトランジションやPCSの上げ底なく低く抑えられた浅田選手、鈴木選手はまだまだ五輪メダルの「蚊帳の外」という立ち位置がマスコミの間で覆ることはないようだ。
高難度ジャンプをしのぐ爆加点による、見事な喧伝効果と言えるだろう。

本番での演技内容に関わらず一方的にトランジションやPCSが低いのは、選手の努力や向上心を無に帰すばかりか、フェアプレー精神と技術研鑽を旨とすべきスポーツとしての在り方を、真っ向から否定するものだ。
五輪でこの偏重がいきなり正されるとは思えないので、アウェーの選手たちがPCSに振り回され、苦しい闘いを強いられるのを覚悟しなければならないことはまちがいないだろう。
四大陸も所詮ISUの手のひらの上のものだから、浅田選手、鈴木選手に下された今回のトランジションやPCSは、根回しする相手の術中にはまってしまった感もある。けれど一位・二位という結果と、世界中に配信された彼女たちの演技が、点数値を尻目に世界周知の「実績」となったことも確かなのだ。

                  ※

日本ジャッジさえなぜか低いPCSを付けた四大陸のスコアを残念に感じていたら、あるスポーツサイトの公式コラムに追い撃ちをかけられた。

四大陸のSP結果をふまえ「浅田選手の闇」と、いかにも物々しく彼女のスランプをぶちまけ、さも自分は内情に精通していると言わんばかりの内容だ。うわべだけ詩的な言葉を並べても、それが選手のモチベーションには逆効果だということが判らない書き手が、いまだにプロ・アマ問わず多過ぎるのだ。

「闇」があるから「光」がある。暗い翳りが寸分もない、弾けたプログラムだけを好しとするなら致し方ない。しかし浅田選手の「鐘」は、人間の怒り、悲しみ、憎しみという負の部分さえ飲み込んで、祈るようなファンの心もひとつにし、作品を希望の光が差す方向へ昇華させた。

SPで見せた危うさもフリーの演技で挽回してみせる、挫けたままでは終わらない浅田選手ならではのアスリート魂だ。

マスコミがまたぞろライバル対決を煽っても、日本のフィギュアファンはそんなことに浮かれたりはしない。
ファンが期待しているのは五輪のメダルだけではない。
そんなものは、ただのおまけ。

どうか思いきり、五輪の舞台で滑っておいで。


氷盤に残されたあなたのトレースが、あなたを飾るリボンです。


d0125013_22222349.jpg

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


ぽちお願いします
にほんブログ村 その他スポーツブログ スケートへ
blogram投票ボタン

関連記事
スポンサーサイト

Post comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

trackbackURL:http://maquis44.blog40.fc2.com/tb.php/247-960fd564
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。