月船書林

フィギュアスケートの話題を中心に芸術を語る

猫の宅急便

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By*yasuhiro


今朝は庭に羅馬(ローマ)の風が吹いてる
干した襯衣(シャツ)に糸杉(シプレ)の匂いがひっかかる
アイロンがけが終わったら
道草を食べてる兎に 忘れ物を届けにいこう
崖の向こうでひろったこどもを
昔の村まで送っていこう
今日はなんだかいそがしい
風にもらった伝票はどこかいぶかしい
ゆきすぎる雲を甕(かめ)に閉じこめて
旅に出た思い出の影を探しに行こう


*********************

とにかくね、僕にはね、広いライ麦の畑やなんかがあってさ、そこで小さな子供たちが、みんなでなんかのゲームをしてるとこが目に見えるんだよ。何千っていう子供たちがいるんだ。そしてあたりには誰もいない――誰もって大人(おとな)はだよ――僕のほかにはね。で、僕はあぶない崖(がけ)のふちに立ってるんだ。僕のやる仕事はね、誰でも崖から転がり落ちそうになったら、その子をつかまえることなんだ――つまり、子供たちは走ってるときにどこを通ってるかなんて見やしないだろう。そんなときに僕は、どっからか、さっととび出して行って、その子をつかまえてやらなきゃならないんだ。一日じゅう、それだけをやればいいんだな。ライ麦畑のつかまえ役、そういったものに僕はなりたいんだよ。馬鹿げてることは知ってるよ。でも、ほんとになりたいものといったら、それしかないね。馬鹿げてることは知ってるけどさ。
(J.D.サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』)

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Comment

cha says... "No title"
猫さんの表情が忙しそうで、思わず微笑んでしまいました。
ちょっぴり幸せな時間をもらいました。
2011.03.29 10:41 | URL | #- [edit]
まさきつね says... "ささやかな幸せとセーフティ・ネットを"
chaさま
コメントうれしいです。
大切なものは小さな幸せと、未来を守るための最後のネットですね。
笑って欲しいです。少しでも。
こころの飢えを癒して。
2011.03.29 14:03 | URL | #- [edit]
星月夜 says... "素敵な届け物"
梅や桜も北国に咲くのでしょう…一年一年、少しずつ、春夏秋冬・豊かな山海の自然が戻る予感…まず最初に、猫さんが春を届けてくれますように。 まさきつね様、素敵な贈り物をありがとうございます。
2011.03.30 09:44 | URL | #RoecctOk [edit]
まさきつね says... "元気の種を"
星月夜さま
コメントうれしいです。
道のない闇の中も、声の届かない遠い場所でも、猫さんは必ず元気の種を運んでいきます。
兎もきつねも、こどもたちも待っておいで。
希望は君たちの握りしめた手のひらの中にあるよ。
2011.03.30 12:21 | URL | #- [edit]
blue09 says... "No title"
改めて見てみるとライ麦畑のこの部分はほんとうに美しい夢ですね。
良心の慟哭のように感じました。
声高に騒ぐ声など傷を負った人の何の役に立つかと切って捨てたくなる時があります。それが自分の高慢だと充分にわかってはいるのですが。そんなささくれた心に沁み入る言葉をありがとうございました。いつか何かの形で役立てるように”夢”を持ち続けたいと思いました。
2011.03.30 12:39 | URL | #- [edit]
まさきつね says... "夢がいつか"
blue09さま
コメントありがとうございます。
サリンジャーもまた、傷つきやすい繊細なこころを抱えて、果てしない夢を紡ぎ続けました。夢を夢だと切って捨てるくらい傲慢なことはありませんね。ジョン・レノンも言っていましたが、夢が大事なのではなく、夢を見る力が大事なのです。
たとえば核も戦争もない世界。貪欲な人間も飢餓もない世界。
そんな夢、馬鹿げてる、でも馬鹿げた夢をかたちにしてしまう馬鹿も必ずいるのだと、まさきつねも信じています。
2011.03.30 19:04 | URL | #- [edit]
とら says... "届けたいもの"
まさきつねさん、こんにちは。
関東大震災と東京大空襲を体験した祖母が言っておりました。
「食べるものも着るものも無くてね。やっとありつけた時はもちろん嬉しかったけど、心配して探しに来てくれた新潟の叔父さんが持ってきてくれたお米やなんかよりも『これも置いていくから』といって置いてってくれた本が嬉しかった。人間に戻れたって気がしたのよ」
もちろん水、食料、衣類、薬すべてすぐにでも必要な大切なもの。でもそこのほんの少しの隙間にでも本を詰め込んだら・・・猫の宅急便さん、よろしく頼みますよ。
2011.03.31 10:48 | URL | #- [edit]
まさきつね says... "あなたのおそばに"
とらさま
コメントうれしいです。
本は何よりもこころの滋養ですね。生きる気力が何よりも大事です。
頑張って、なんて言えません。
いっしょに泣いて、いっしょに笑って、いっしょに未来を探しましょう。
猫さんは必ずあなたのおそばに、あなたに必要なものをお届けします。
2011.03.31 15:47 | URL | #- [edit]

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